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Roland JP-8000 メンテナンス2016年11月02日

 秘蔵のセミ・ヴィンテージシンセサイザー、JP-8000のメモリバックアップ電池の交換をしてみた。
 同機は1996年発売のアナログモデリング機である。トランスなどで多用された「プキャーッ」という感じの音色の「SUPER SAW」波形をRolandで初めて搭載した。
 アナログモデリングシンセサイザーとはいわゆるアナログシンセサイザーの挙動をコンピュータ上で模倣するものだ。特にJP-8000はボリュームやスイッチなどの豊富な操作子を駆使して感覚的に音作りができる逸品である。
布団の上で作業開始

 裏蓋はベニヤ板で24箇所ものネジでとめられている。ネジ穴をバカにしないためにゆっくりとゆるめるので外すだけで十数分以上かかる。
裏面はベニヤ板

 ネジは豆腐のパックに確保。電池はCR2032を一個使用。この電池を使っている電子楽器は実に多く、中古品の消耗・交換がとかく問題になる。
ネジは24本電池はCR2032

 蓋が外れた状態。キーボードの基板と操作部の基板がほとんどで、上方の左寄りの白っぽい長方形の部分がメインボード。
内部開放

 メインボードには厳重に鋼板のシールドがかけられており、これだけのために9本ものネジが使われている。特に力がかかるわけでもないのに過剰に思われる。
 似たような性能のKORG機の内部にはあまりシールドは無く、増設音源ボードも4本ぐらいのネジで剥きだしのまま取り付けた記憶がある。
メインボード?
 
 バックアップ電池が見えた状態。シールドを完全に外すにはケーブルのコネクタをはずさなければならないのでずらしただけで交換することにした。交換には電池のショートを避けるためプラスチック製のツールを使用した。
電池はホルダー式

 開けたついでに電源部のコンデンサー等をチェック。今の所見た目では劣化等は見られない。
電源基板

 同じくアナログ音声等の入出力部をチェック。左上のやや大きい黒いものはMIDIジャック部。INとOUTのみでTHRUは無い。
アナログ出力部基板

 裏蓋の裏もアルミホイル状のシールド膜が貼られている。
底板のシールド

 ネジを1個だけ使用して裏蓋を仮どめした状態でテストと調整を行う。この機種は電池を外してメモリがリセットされるとベンダーとリボンコントローラーの初期化をしなければならない。ある数個のスイッチと電源スイッチを同時に押してメンテナンスモードで起動して各種初期設定をする。この後に蓋を完全に取り付けて出来上がり。
 諸先輩がたがいろいろ調べてネットにあげていてくれるおかげで分解から調整まで滞りなく進めることができた。
仮止めで調整

プリンターPM-D750整備2012年03月03日

 9年近く古墳写真整理のためのサムネイルプリントなどに愛用してきたインクジェットプリンターのエプソンPM-D750。各種メモリーカードリーダー内蔵で本体のみでもプリント可能が売りだった。最近、「内部の調整が必要です」云々のエラーメッセージを出すようになった。調べて見ると廃インクを吸収させる部分が満杯になった頃を見計らって出るものらしい。ソフト的なメッセージの解除自体は簡単なのだが吸収体が溢れるのもまずい。しかしメーカーのサービス期間は終わっているので自力で交換を試みた。
 分解・再組み立てはある程度機械いじりに慣れた人でないと難しいと思われるので、もし真似なさる方がいたとしても完全自己責任でお願いしたい。

分解開始前にヘッドをインクカートリッジ交換位置にしてから電源プラグを強制的に抜く。とりあえずフタを外して上部外装を外すためのツメ位置を探る。
ヘッド開放状態

上部外装を外した状態。コントロールパネル部は一本のフラットケーブルとカードコネクタで接続されている。
上蓋取り外し

メイン外装を外した状態。この後中央上の給紙部を取り外す。万一のインク漏れに備え、床には新聞紙やビニールなどを敷く。
給紙部取り外し前

給紙部を外した状態。ここまで分解するためには通常のドライバーの他に直角に曲がっていて狭い所に使えるオフセットドライバーが必要。
給紙部取り外し後背部

メカ部を外すのに制御ユニットは邪魔なので各種コネクタを抜く。ピン数などがパラパラなので適当に外しても後で再び挿す時にも迷わなかった。
制御基盤コネクタ部

メカ部を外して廃インク吸収パッド(黒いもの)が見えた状態。本体底部のかなりの面積及び体積を占めている。
メカ部取り外し後

パッドを水洗いしてみた。が、洗えど洗えど水は真っ黒。手も「ナ・ン・ジャ・コ・リャー!!」な状態に。
インク吸収パッド洗浄中

パッドは厚いフェルト状のものだった。洗い終わってもこの程度で、しかもぺったんこになってしまったので再利用はやめることにした。
インク吸収パッド洗浄後

空の状態の吸収体装着部。楽に大きな弁当箱ぐらいの容積がある。左下隅にヘッドのホームポジション付近からパイプが来ている。
本体底部パッド除去状態

代替パッドは天ぷら油用のものを使用。パイプ経由だけでなくフチ無し印刷などで溢れたインクを吸い取る必要もあるので満遍なく詰める。
代替吸収体装着状態

ネジは形状ごとに分けながら分解したが面倒なので特に元の場所も記録しなかったら組み立て後に2本余ってしまった。
ネジ分類状態

本体背面の、丁度吸収体にパイプが来ている所付近に謎の取り外せる蓋がある。吸収具合を確認するためのものなのだろうか。
本体背部

給紙部を組付け、各種コネクタを仮接続してテストプリント。給紙部の取り付け具合の調整による紙送りの最適化に意外に手間取った。
仮組試運転

 この後、2本のネジは余りはしたが再組み立てに成功し、問題なく動作している。まあ、今時はカラープリンタも大昔から比べれば夢のように安価であるが、やはり大昔にモノクロでせいぜい24ドットのインパクトプリンタにン十万円ものお布施を支払ってきたオジサンとしては意地でもケチって直したかったのであった。